チェンナイ市内から南下すること約2時間。そこはタミリアン愛しのコーヒーロード。
伝統のフィルター製法コーヒーを一杯飲み干し、更に南下すること30分。
隣接する村々の神殿ともあいまって、悠久の歴史を感じる一瞬。
そこに突如として現れる丁場群。
70年代初頭、採掘開始当時は小高い丘だったとのことだが・・今はその面影はなく
最深部50mを超えそうな丁場、また丁場。
3‐4年前までは10数社が採掘していたが、深く掘り下がるにつれ採掘作業の危険度は高まり、
また地圧の上昇からくる歩留りの悪化、先の大豪雨によるダメージから
現状では4‐5丁場のみが稼動。
しかし、稼動丁場はいずれも大手で変らぬ安定供給を続けています。
クンナムはインド石材を代表する、世界の石材業界を牽引してきた銘石です。
その硬さと低吸水率、高耐久性は各地でその圧倒的な信頼と実績を体現し続けています。
石種データ | ||||
素材 | 色目 | 圧縮強度(N/mm2) | 見掛比重(t/m3) | 吸水率(%) |
御影石 | 黒形 中目 | 120.36 | 3.037 | 0.011 |
洋墓デザイン例 JSCオリジナル・やすらぎ
和型デザイン例 神戸型
和洋デザインを問わず最高級インド産黒御影をして墓石に使われる
インド産、黒御影「クンナム」。
採掘開始当初の1970年代から日本に入ってきており、日本各地でその姿を見ることができる石です。
ここで石材豆知識。
一般的に御影とは花崗岩をさすものとされますが(神戸市東灘区御影石町付近で採石された本御影が語源)
インドの石材のほとんどが閃緑岩・斑糲(レイ)岩に分類されます。
全て学術的には深成岩の一種で花崗岩、閃緑岩、斑糲(レイ)岩の順にそれぞれ組成が異なります。
色彩的にわかりやすく言えば、右に行くほど色が黒っぽくなり、左に行くほど白っぽくなります。
単純にいうとそれは明るく軽いシリカ(SiO2)と黒っぽく思い鉄、マグネシウム等の混合比の違いなので
石材は色が黒っぽくなるほど重いということが出来ます。
その比重2.6-2.7を花崗岩、2.8前後を閃緑岩、2.9-3.0程度を斑糲(レイ)岩と比重で容易に分類できる目安もあります。
またその比重が高いほど硬質とされています。
クンナム丁場位置
India-丁場-KNM-V 201507
India-丁場-KNM-KR 201209
India-丁場-KNM-OG 201208