長い歳月を経てなお、大切にされるもの。あるいはまた、風雪に耐えて古びることが「味わい」をもたらすものたちがあります。露天が宿命の石塔ならばこそ、そういうものをつくりたいと私たちは考えます。
お手本は遥か遠く、鎌倉時代の遺産。民を救いみちびく聖(ひじり)と、その教えを忠実に具現する石匠。両者の邂逅(かいこう)がたぐいまれな造形を創出し、わが国における石造物の全盛期を築き上げました。鎌倉期作が傑作ぞろいとされる所以は、信仰の教義を示す造形様式のなかにも、つくり手たちの創造的エネルギーが生き生きと表出していることにあります。
世伝石塔シリーズは、石造美術全盛・鎌倉期のそれらの姿と意味を研究し、全て名匠の手仕事による叩き仕上げにて再現。古式に則ったうえで創造性を加味し、伝統的でありながらオリジナリティを兼ね備えた新しい美しさを追求します。
石塔の形式や意匠は、ひとつひとつ、仏教の教義や民間信仰に基づく何らかの意味を表しています。それらは宗派により、使用できる種類が少しずつ異なります。世伝石塔シリーズでは、そうした形式や意匠の概念と法則を正しく踏まえ、細部にまでしっかりとした意味を持つ、ご依頼の方にふさわしいお墓作りを提案します。そのため全ての世伝石塔は受注後にご相談を重ね、この世にふたつとない仕様の石塔を、お客様とともにつくっていくという制作方法をとっています。
石工が手仕事を離れて久しい現代、希少な伝統的技法で丁寧に仕上げられた世伝石塔は、古よりの技法に長けた、国内最高峰の選ばれた石工による手仕上げの贅を尽くした石塔シリーズです。

徹底した手作りと伝統的技法にこだわり抜いて仕上げられた世伝石塔シリーズに対し、安寧シリーズは叩き工程に機械仕上げを取り入れ制作費用を抑えた製品シリーズです。